オートチェス入門

今自分の中で熱いゲーム、それが Dota Autochess。この熱はスプラトゥーン以来。

dota auto chess が張り切った麻雀みたいで面白い - mizchi's blog

僕自身の最高レートはナイト 8 で、まったく高レートプレーヤーではありませんが、GW を溶かして最初に学ぶべきことは一通り覚えたつもりです。日本語の記事が少なく、初心者がなにを知るべきか網羅的な資料がなかったので、自分で書くことにしました。

最初に: 負けても気にしない!

このゲームは勝敗によってレートがついていますが、現在の野良マッチではレートが考慮されていません。一人やフレンドと一緒に潜るだけなら、どんなに下がっても大丈夫です。

ビジョップ以上の高レートになるとレート専用部屋を立ててプレーする文化がありますが、最初は存在を忘れて大丈夫です。

このゲームでまず大事なことは、自分が取れる選択肢の多さです。その選択肢ごとに強さのカーブがあります。どんなに言葉で説明されても、そのカーブはやってみないと身につきません。

最初はやったことない戦略をどんどん採用してみて、レートを溶かしてでも肌感覚を身に着けましょう。

まず覚えていくこと

このゲームは、お金を貯めながら、他プレーヤーに HP を削られない程度の強さを維持して、お金に利子を付けて稼いで優位に立つのが基本戦略です。$10 ごとに $1 の利子がつき、利子がつくのは最大 $50 までです。これはマネー戦略と呼ばれたりします。

勝っているときは、連勝ボーナスを稼ぐ連勝戦略もあります。これを採用できるのはゴブリンのような序盤強いビルドに成功したか、他の理由で強運だった 1 位~2 位なので、基本はマネー戦略でいいと思います。結局は連勝戦略でも、勝てる程度に金を残して利子を取りに行くのは一緒です。

マネー戦略では、序盤に負けるのは気にしなくていいです。序盤に負けるとしても、ダメージはたかだか 4~6 点です。ユニットの数が増える終盤で負けると、1 ラウンドに 20 点飛んでいくことはザラにあります。

序盤でカードをドローしても高いユニットはでないので、あまり得ではないです。序盤で $2 払って手札を引き直すのは、Lv2 がまったく作れず負けていて、4ペア以上揃ってるときだけにしたほうがいいです。

Alt を押している間、自キャラの経験値が見えます。これは 1 ラウンドごとに 1 点ずつ増えていきます。これが 4 の倍数の時、5 金で 4 経験値を買うチャンスです。Lv が増えればユニットの配置数が増え、より強いカードを引く可能性が高くなります。

とはいえ、必ず $50 を抱えておかないといけない、というわけでもありません。他のプレーヤーも常に強くなっていきます。中盤で大敗すると、後半とれる戦略の数に響いてきます。レベル差がついてユニットの数で負けたので30金払って Lv9にしたけど、その後カードが引けなかった、ということがよく起きます。

合成しなければユニットの売値と買値は同じです。なので利子が減らない範囲でユニットを買い占め、次のターンで利子が付くラインまで売り払う、という操作で細かく期待値を上げていくのが重要になります。とくに序盤の Lv2 の数は、これで差が出てきます。勝った瞬間に 1 金入るので、それを即座に使うのも大事です。

シナジーについて

最初に留意する点として、シナジーが発生する条件は「数」ではなく「種類」です。違う Lv の同じユニットを二体並べても 1 とカウントされます。

シナジーについて、大雑把にこういうイメージで覚えるといいと思います。

  • 種類が多い役は 3 の倍数で起動します。クラスが多いです。(ウォーリア/エルフ/ハンターなど)
  • 種類が少なめの役は 2 の倍数で起動します。種族が多いです。(オーク/エレメンタル/ヒューマンなど)
  • 他、特殊なもの。(デーモン 1, デーモンハンター 2、神)

最近ナイト 2/4/6 がナイト 3/6 に変更されたりしたので、種族だったら、クラスだったら、という区分けはちょっと曖昧です。

自キャラ(マウント)にフォーカスがあたってるとき、今のシナジー数が発動できるので、2/3 のものを確認するといいと思います。

初心者が覚えるべきは、ウォリアー 6(防御 UP)とゴブリン 3(ランダムなユニットに自動回復)です。これは作りやすく、単純に強力です。

最初に知るべきこと: デーモンについて

デーモン種族は強く設定されている代わりに、2 種以上並べると弱体化します。これはデーモン 1(デーモンにトゥルーダメージ追加)という役があるからです。なのでどんなビルドでも、迷ったらとりあえずデーモンを一体だけ運用しましょう。

シナジーを無視して採用されるデーモンは後に崩すことが多いので、アイテムを一時的に放り込んでおくのに便利です。売ったユニットのアイテムは回収できます。

特殊なシナジーとして、相手のデーモンハンターは対面のデーモンとして数えられるので、相手のデーモンシナジーを打ち消します。

最初に知るべきこと: アイテムについて

アイテムは合成して強く出来ます。が、最初はそれを考えている余裕はないでしょう。防御 UP は前衛に、攻撃力 UP は高いランクのユニットに、マナ回復はスキルが強いキャラに付ける、とおぼえておけば OK です。

シナジーを無視して採用したユニット、とくにデーモン種は後半切ることが多いので、回収を前提にアイテムを突っ込んでおくことが多いです。アイテムを持ったまま活用できないのは、相対的には損なので。

注意すべきは「呪われた吸血マスク」です。これを装備したユニットは、通常攻撃に吸血効果がつく代わりに、スキルが発動できなくなります。便利な棒と吸血マスクの合成なので、これを装備したユニットに装備を追加する際は確認しましょう。ちなみに呪われた吸血マスクを一番活用できるのは、パッシブスキルで通常攻撃が加速していくトロルの戦将です。

配置について

基本は前衛は前、遠隔は後ろ、これだけ覚えてればなんとかなります。が、いくつか特定の戦略に対する戦略が必要になります。

アサシンは自身から一番遠いユニット、つまりは相手の後衛に飛んできます。アサシンを採用してるプレーヤーがいる場合、最後列や右隅、左隅にユニットを寄せましょう。

この逆のパターンで、メイジのスキルはほとんど範囲攻撃です。この場合固まってると全部刺さってしまう可能性があるので、ユニットを散らして配置しましょう。

配置が一番重要なのは最終盤で、1 位と 2 位がお互いをメタりあって配置を頻繁に変えるときです。範囲スタンを持つタイドハンター、自身を見ているユニットを石化させるメデューサ、範囲で割合ダメージの謎のエレメンタルがシナジー無視で採用されたりします。


以降、ビルドごとのガイドです。興味あるものを拾い食いする程度でいいです。

初心者にはとりあえずどんなときでも採用可能なウォリアー軸をおすすめします。

ウォリアー軸

ウォリアーは種類が多く、事故が起きにくいクラスです。また、ウォリアーの中でもシナジーがあります。

  • ☆1 アックス、☆2 ジャガノでオーク 2(オークの最大 HP+250)
  • ☆1 タスカー、☆3 ライカンでビースト 2(全員の攻撃力+10%)

序盤でタスカー、ライカンでビーストが発動したら、ビーストを集めるチャンスです。結果的にビーストが多いドルイドが見えてきます。

岩のエレメンタルは、ウォリアーというよりエレメンタル 2(エレメンタルを攻撃したユニットが確率で石化)を経由して、別のビルドに向かいやすいユニットです。岩のエレメンタルと単品で強い雷エレメントと組み合わせて、あわよくばメイジへ。

ラウンドのスタッツを見ればわかりますが、ウォリアーは序盤に壁を揃いやすいかわりに火力が出しにくいです。メイジのような後衛を揃えるか、☆3 クンカ ☆4 トロルの戦将、☆4 ドゥームデーモンの Lv2 が必要です。トロルの戦将が火力出すにはもう一体トロルが必要です。(無理にトロル 4 をやる必要はないです)

ゴブリン軸

ゴブリンの強さは序盤の引きやすさと、☆1 ゴブリンの賞金稼ぎと ☆2 ティンバーソーの強さ、そしてほぼ決め打ちでメカの自動回復シナジーが付くところです。

☆1 ゴブリンの賞金稼ぎ、☆2 ティンバーソーはわかりやすく強く、☆1 クロックワークと ☆1 ティンカーは並ですが、ゴブリン 3 を揃えた時点でメカ 2(メカ属性が自動回復)が確実に発動します。

しかし、序盤で圧倒的なゴブリンも、中盤、とくに他のシナジーが猛威を振るい出す Lv6(ラウンド 17 あたり)から、厳しい展開が多くなります。☆4 ゴブリン錬金術師は引きづらい上に弱く、☆5 はゴブリンの地雷作業員に至っては Lv があがりきる終盤までドロープールに出現しません。ついでにメカ 4 のシナジーを出すには、☆4 ジャイロマンサーも必要です。

ゴブリン 6 メカ 4 が完成した際の強さは圧巻ですが、そのために一時的に負債となるゴブリンを抱えたまま中盤を乗り切るプレースキルが必要です。序盤にのみゴブリンを採用し、その後他のビルドに切り替えるプレーヤーも多いです。

ドルイド

序盤でエンチャントレスとフリオンが重なったらドルイドをやるチャンスです。ドルイドは進化しやすい代わりに、戦闘には貢献しないシナジーなので、育ちきったら最終的にドルイドを切ることが前提です。

ドルイドは ☆2 フリオンと ☆3 トレントでエルフ 2, ☆1 エンチャントレスと ☆3 ローンドルイドでビースト 2 がついてきます。なので、切り替え先として ビーストかエルフに向かうことが多いです。個人的な印象では、エルフは決め手に欠けるので、エルフ 3 ビースト 2 を繋ぎで発動させつつ、ビースト 4 を目指します。

ドルイドで気をつける点として、☆1 エンチャントレスと ☆2 フリオン が本当に弱いです。エンチャントレス Lv3 はビースト 4 のため残る可能性はありますが、フリオン Lv3 はエルフ軸でも居場所がないかもしれません。

自分がドルイドで多かった敗因が、☆4 ローンドルイドが一体でも出れば Lv3 が出せるのに、というシーンでガチャを回して事故って負けることが多かったです。ローンドルイドが出なければ中盤のドルイド Lv3 の Lv による強さは発揮できないので、諦めてドルイド軸を切ることも大事です。

トロル軸

☆1 トロルの蝙蝠騎士が弱く足を引っ張るのですが、最近になって ☆3 Dazzle という強力な駒が追加されたため、どんな構成でも中盤を腐らせることなく現実的にトロルシナジーを発動させることが可能になりました。

トロル 4 (全員の攻撃速度が+35%) が非常に強力です。マナ はダメージを与えたときに回復するので、単純な攻撃力 UP ではなくスキルが回る速度も速くなります。

トロル 4 はそれ自体では前衛が足りません。なので自然とウォリアーかナイトと組み合わせることになると思います。影のデーモンが育っていたらウォーロックもあるかもしれませんが、ウォーロックで前衛を機能させるのは難しいです。

トロルの蝙蝠騎士を採用するのはトロル 4 ナイト 3 のときだけです。

ナイト軸

安価なユニットがいないウォーリアという感じです。序盤の火力は ☆2 ルナ と ☆2 デーモンナイトに依存しますが、終盤では決め手に欠けるので、メイジを採用するか、☆4 ドラゴンナイトの変身能力を活かすためにドラゴン 3(ドラゴンが開始時に MP 満タン) を採用する必要があります。ドラゴンナイトで最終盤を勝ち切るにはドラゴンナイト Lv2 が最低二体ほしいところです。

最近のアップデートでナイト 2/4/6 がナイト 3/6 になり、弱くなった気がしてます。

メイジ軸

最終的には一番強いと言われています。ただ、メイジは安いユニットが少ないので、序盤で考慮する必要はないです。

メイジを目指すかどうかのキーは、☆1 オーガマギが Lv2 になったか、もしくは ☆3 雷のエレメンタルが Lv2 になることです。雷のエレメンタルは単品で強いユニットなので、他のビルドでも後衛が少ない場合に雑に採用されます。

☆4 光の老魔導士はメイジが勝てるかどうかを決定づけるカードです。正面方向への AOE なので、最下段の画面の隅に配置して、斜めに打ちます。☆5 ゼウスが Lv2 になったら、おそらくメイジが負けることはないでしょう。

注意点として、☆2 リーライは Lv2 になったとしても序盤で出さないでください。リーライのパッシブスキルは他のユニットの MP の自動回復です。これはスキルの強いメイジが完成してはじめて機能するスキルです。

序盤で弱いという同じような理由で、☆2 フェアリドラゴンは単品で弱く、仮に Lv2 になってもメイジ以外の序盤では採用されません。この例外としてはドラゴン 3 です。

アサシン軸

(正直自分が詳しくない)

前衛にはならないので、他の前衛と組み合わせる必要があります。アサシンは自分から一番遠いユニットにジャンプする、という特性があり、配置が重要で、ゲーム理解が必要です。

☆4 テンプラアサシンは単品で強いです。エルフ 3 のために採用されることがあります。

前のシーズンでは一番強かったのですが、今は最初のジャンプが遅れて発動するようになり、ちょっと弱くなっています。

ハンター軸

ハンター軸では前衛をどう揃えるかが難しく、なのでハンターで近接である ☆2 ビーストマスターの役割が大きいです。こいつは単品で強いです。なので自分は ☆2 ビーストマスターが重なってはじめてハンターを候補にいれます。

中盤までウォリアー/ナイトなどを混ぜつつ前衛を確保して、最終盤で ☆4 メデューサと ☆5 タイドハンターが揃えばハンター 6 の完成です。メデューサとタイドハンターは、他のビルドでもピンで採用される、このゲーム中随一の強さです。ただ、この二体とも範囲スタンのスキルを持っていて、配置が重要なのでゲーム理解が必要です。

注意点として、☆2 ミラーナがたぶん ☆2 の中で、ドルイドのお荷物であるフリオンと争うぐらいの弱さです。ハンター 6 をやるとき以外では採用されません。

ウォーロック

不死のリッチがゲームから削除されたため、これは 2019 年 5 月現在、ゲームプランの軸としては機能していません。

トロル 4 やビースト 4 を目指すときに、影のデーモンが育っていた場合のみ、ウォーロック 3 を付けます。あるいは他のデーモンを採用していた場合は ☆5 謎のエレメンタルで付けることがあるかもしれません。

アンデット

ウォーロックと同様、不死のリッチがゲームから削除されたため、軸として機能していません。

軸としては機能しないものの、アンデット 2(敵全体のアーマー低下) というシナジーは気軽に付けられる上に火力+20%相当と強いので、ナイト軸やハンター軸のときに不死の射手を軸にして一時的に採用されることがあります。不死の射手自身は弱いので、アンデット 2 だけなら、終盤で ☆3 不死のネクロマンサーや、☆5 不死の悪霊使いと入れ替えます。

神メイジ

神はそれ以外の種族シナジーが発動していない時、スキルのクールダウンが半減されます。

このマナ回復を一番生かせるのはメイジです。ただし、メイジはヒューマンが多く、シナジーがあるマナ回復パッシブを持つリーライ以外は採用し辛いです。前衛にはスキルが強い ☆2 剣士ジャガノなどが採用されます。

ユニットが増えるほど、シナジーを避けるために変則的な構成になります。なので序盤揃わないメイジを無理やり機能させるのに使われ、その後切られることが多いです。

神メイジの真価は、☆1 マルスと ☆5 ゼウスが揃って神 2 が発動したときです。ここに到達できれば負けることはないでしょう。


おまけ r7kamura が作ってたアイテム合成表

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