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近年のJRPGにおけるロール概念とゲームデザインについての個人的な分類

追記: TRPGやD&D派生まで言及すると無限に終わらないので意図的に無視している。MMORPG以前にロール概念がなかったわけではなく、再発見されたという認識。

最近のJRPG

あまりJRPGは元気がないが、MMORPGで発展したロール制の概念を取り入れよう改善しようとしている傾向がある。この記事ではそれらの理由と分析を行う。

はじめに

本稿では以下のような分類を行う

JRPG初期

  • DQ1 ~ 6, FF1 ~ 6

ロール概念を持つオンラインゲーム

ロール概念の消化を試みたJRPG

基本概念

RPGのルーツはウォーゲームにある。戦闘の数値を抽象化し、それを有利に導く諸概念は、現代のコンピューターゲームでもそのまま適用できる。

つまりは以下のものだ。

歴史書を紐解くと、アレキサンダーからハンニバルからナポレオンまで口を酸っぱくして上の重要性を述べている。

90年代のJRPGの問題

90年代のDQ/FFに代表されるJRPGは、基本的に単体火力/範囲火力/補給リソースの概念で構成され、今で言うロール的な概念は弱かった。

補給リソースとは、MPや消費アイテムをHPに変換できる総量のことである。補給リソースを削って瞬間火力を出す。次のチェックポイント(宿屋)まで辿り着けば勝ち。補給リソースを失うと負け。基本的には、そういうゲームだ。ヒーラーは存在するが、戦闘時のリアルタイムな補給リソースとして側面が強い。

このような状況の中、プレイヤーは無意識にランチェスターの法則を意識し、結果として戦力の集中による各個撃破を行うようになる。

ゲームデザイン」としての問題

理論上無限の補給リソース

このシステムの問題は、手間さえかければ補給リソースを無限に増やすことが可能な点。 ただし、シナリオを重視するJRPGでは救済要素の側面もあり、一概に悪いとはいえない。 

全員がアタッカーであり、優れた単調な攻撃手段を持つ

成長要素が非常にリニアであり、上位互換なスキルばかり覚えていく。結果としてのエンドゲームでの選択肢は限られている。

これらの対処のため、差別化のために「属性じゃんけん」が導入されたという認識。

単調さ

プレイヤーが実質的に行っている選択は、いつ、どこに戦力を集中するかという点と、どこでリスクをとって高コストな回復(全体回復行為)を避けるか、補給線(ヒーラー)へのリスクをどこまで考慮して攻撃リソースを使うか、という点。

敵はターゲットの選択がある程度乱択だが、プレイヤー側は各個撃破の概念を持つので有利、という言葉に集約される。

これらがゲーム的に面白く無いというわけではないが、90年代は同じようなゲームが続き、差別化要因がシナリオ面しかなくなり、その惰性がゼロ年代JRPG冬の時代を招いたと個人的に思っている。

ロール概念

ロール概念は複数のプレーヤが参加するMMORPGの中で明確になっていった(と自分は理解している)。

MMORPGでは自分以外の個々人が「非常に賢いAI」だとみなして良いので、複雑な連携が可能になった。

とくにタンク概念の強化と、それに伴うクラウドコントロールの概念の強化が特長。

主概念

  • タンク: 敵の攻撃を集め、耐える
  • アタッカー(DPS): ダメージを与える
  • ヒーラー: タンクやアタッカーを回復する

副概念

  • バフ/デバフ: 味方/敵へのステータス的な補助/妨害
  • クラウドコントロール(CC): 敵の誘導や行動妨害

タンクが耐え、アタッカーが攻撃し、ヒーラが回復する。それに副概念が組み合わさる。クラウドコントロール(CC)は要は敵をスタンさせたり、眠らせたり、妨害したりする能力を指す。

よくある組み合わせてとして、タンク/クラウドコントロール(つまり挑発)、手があきがちなヒーラーのバフ/デバフは鉄板だが、タンク以外もクラウドコントロール能力を持つ場合がある。魔法で眠らせたり、スタンをとって行動妨害をとるのがそれだ。

各ロールについて

タンク

敵の攻撃を一身にうける。挑発や他をかばったり、自分の防御を強化したりするスキルを持つ。

余談だが、JRPGでは、役割の性格上、物語上では騎士やヒロインを守る主人公に与えられることが多いのだが、近年のタンクはCCの複雑化から操作が難しい傾向がある。

後述するゼノブレイドでもFF13でもタンクの操作は他に比べ難しいが、CCをうまく表示する為のUIが練られていないからだと言う気がしている。

ヒーラー

回復担当。パーティの生命線。いかにヒーラーを守るか、ヒーラーが死ぬ前に敵を倒しきるか。

メインタンクへの回復とバフ、CCの影響を受けない全体攻撃や想定外の消耗への臨機応変な対処が求められる。

これだけに絞ったフリーゲームもある。

Get over the Barrier! Healer's Yell ヒーラーズエール

アタッカー(DPS)

洋ゲーでは物理アタッカー(Melee/Ranged)が継続火力で、魔法アタッカー(Mage)は瞬間火力であることが多い。

火力の分類

  • 継続火力 <> 瞬間火力
  • 単体火力 <> 範囲火力
  • アンチタンク
  • アンチCC

瞬間火力は制限されている。クールタイムのような条件があるか、MPのようなリソースを消費して発動するもの。

継続火力は、低コストで撃てる通常攻撃や、毒のような継続ダメージを含む。JRPGでは毒は低確率/大ダメージとして扱われがちだが、洋ゲーだと必中/中ダメージなダメージソースとして扱われることが多い。DoT(Damage on Time) と呼ばれる。一つの戦闘を通してのダメージ量は瞬間火力より多い。

アタッカーは「敵主戦力の無力化」という観点から敵CCの対象になるのだが、それに対する防衛力を備えている場合もある。ステルス等でアンチCCを持つものをローグといったりする。

タンクの防御力を無視するような、アンチタンク特性を持つDPSも存在する。

おまけ: タンクメイジ現象

本来は守られるべき瞬間火力ロールであるメイジが、ゲームデザインの不備でタンク相当の耐久力を得てしまい、皆がそのようなビルドしかしなくなること。

翻訳記事:水はひび割れを見つける | スパ帝国

JRPGにおけるロール概念について

FF13

この記事を書こうと思った理由はFF13の感想が最近になってよく読まれていたから。自分で読み直してもよくかけていると思ったので、どうぞ。

FF13というRPGへの解答 ~ クリア後感想 ネタバレなし - mizchi log

ゼノブレイド

ソロゲーだが強くロール概念を意識しており、キャラクターごとに装備と設定次第で複数の役割がこなせる。

序盤から安定するが火力がない高防御タンク(ライン)、高リスクの回避タンク圏アタッカー(ダンバン)と、タンクとして能力は低いが一人で回復とデバフまでこなせる特殊タンク(リキ)がいる。

主人公(シュルク)はタンクによるCCを前提にしたアタッカーで、背後からの攻撃で大ダメージ、クールダウン眺めの瞬間火力(モナドバスター)を持つ。

ラストストーリー

主人公がタンクで、残りのキャラには指示を出せるだけ。ロール制を強く意識している。主観的には耐えてる間に味方が殲滅してくれる、というプレイ感になりがちなので、もうちょっと工夫の余地があったような気がしている。

レジェンドオブレガシー

最近プレーした。サガの皮を被ったロール制を強く意識したシステム。自分はサガのバトルデザイナーの小泉今日治さんがロール制をこう解釈した、みたいなメタい視点で楽しめた。

特に明言されていないが、武器種によってロール適正があって、盾 > 大剣 > 格闘 >> その他 となっている気がする。

個人的には、精霊を呼ぶ手続きがだるい(精霊を呼ぶとその属性の魔法が使えるようになるので、1, 2ターンかける必要があった)。3人PTでリカバリ手段が少なくて、ヒーラーが倒れた時の巻き返しが難しすぎるという印象。クイックセーブできるのでトライアンドエラーしろということだろうが…。

最後に

最近元気がないJRPGだが、ゼノブレイドは最高だったし、まだ十分発展の余地がある。ゼノブレイドクロス楽しみですね。(モノリス信者並みの感想)