初心者に理解あるふりしたモヒカンの自己満足に付き合うのはうんざり

インターネットのほとんどの初心者向けに書かれたと宣言されたコンテンツは、想定すべき初心者のペルソナを失っている。初心者向けの記事は、「これは(俺が想定する都合のいい初心者には)わかりやすい」であり、「実在する初心者」の方を向いていない。習熟すると初心者の気持ちがわからなくなるから、構造的な問題もあるんだけど、それにしても、と思うケースが技術者界隈には本当に多い。

初心者向けと銘打った発表をして、似たようなコミュニティから「わかるわかる、そう説明するよね」的な同意を得られることに満足して終わっているだけで、実際には誰も救っていないの、本当に滑稽だと思う。当人の自己満足と、コミュニティから賞賛を得る以上の価値がない。ネタでやってるケースだけでなく、本気で初心者のつまづきに理解があるよ的な前振りから、突然理解に困る技術的な飛躍が行われるの、やられる方はかなり迷惑で、しかし自分の頭が悪いのを認めたくないから、わかったふりをしてしまう。お前は頭が悪いんじゃなくて、書いてるほうがダメだから、わからないと言っていい、ってことを伝えたいケースが結構あるんだけど、それはこの発表者より俺のほうが上だなと思えるケースでしか自信を持って言えないので、難しい。

コミュニティの周辺人物が、「わかるわかる」言う人たちがいるから、わからない問題をわからないと言えない雰囲気が醸成されている。コミュニティの人間は同質の知識を持つから、そうだとは思う。みんなわかる〜って言ってるから、わからないということが怖くなる。わからないことをわからないと言えずに、そのまま次のステップアップを行おうとして、正しい学習コンテンツを選択できずに学習が阻害される。

僕がこの件に対して非常に嫌悪感を持つのは、独学でプログラミングを勉強した僕自身、そういうものに囲まれて勉強してからである。モヒカンの自己満足を自己満足だと見抜けないと、本当に自分に必要なものがわからない。見抜くためにはその周辺知識・技術がいる。

とはいえ、反知性主義的にXは無駄だからやる必要ないよ的なポジをとるのも害悪が大きい。初心者は許される限り緩い方に行こうとするから、すぐに悪い習慣を身につける。オブジェクト指向覚えたての人間にシングルトンを教えるのは、メリットよりもデメリットのほうが大きい。水は低きに流れる。

自分がなにかと過激な表現をするのは、そうでもしないと是正されないものがあるからで、冷静に語って納得してもらえるんなら、正しさの強度で勝負できるなら、そうしたいものだ。そうできないのは、悲しいとは思う。