【読了】造物主の掟
造物主(ライフメーカー)の掟 (創元SF文庫 (663-7))
- 作者: ジェイムズ・P・ホーガン,小隅黎
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1985/09
- メディア: 文庫
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ホーガンらしい科学に対するセンス・オブ・ワンダーに満ちあふれているのは当然として、疑似科学や神秘を騙り、偽物の奇跡を行う舞台奇術師、ザンベンドルフを使った未開惑星に対するファーストコンタクトの演出は、目を見張るものがあった。
このジャンルはクラークから伝統的にイギリス的なコロニアリズムを感じることが多く、本作も例外ではないのだけど、人種(人類)を超えた真実を追求する姿の賛美する姿は、作者の危険なほどの科学に対する信仰と、大衆への諦観が入り交じっていて複雑な様相を呈している。
「星を継ぐもの」とその後継シリーズは回を追うごとにつまらなくなっていったけど、「造物主の掟」は過去作の柵がなくて自由だったように思う。
あと帯のあらすじが明らかに間違ってた。間違ってたというか明らかに誤読している人が書いてる。