【読了】造物主の掟

造物主(ライフメーカー)の掟 (創元SF文庫 (663-7))

造物主(ライフメーカー)の掟 (創元SF文庫 (663-7))

ホーガンらしい科学に対するセンス・オブ・ワンダーに満ちあふれているのは当然として、疑似科学や神秘を騙り、偽物の奇跡を行う舞台奇術師、ザンベンドルフを使った未開惑星に対するファーストコンタクトの演出は、目を見張るものがあった。

このジャンルはクラークから伝統的にイギリス的なコロニアリズムを感じることが多く、本作も例外ではないのだけど、人種(人類)を超えた真実を追求する姿の賛美する姿は、作者の危険なほどの科学に対する信仰と、大衆への諦観が入り交じっていて複雑な様相を呈している。

「星を継ぐもの」とその後継シリーズは回を追うごとにつまらなくなっていったけど、「造物主の掟」は過去作の柵がなくて自由だったように思う。

あと帯のあらすじが明らかに間違ってた。間違ってたというか明らかに誤読している人が書いてる。